SNSの「月5万」に騙されないで。法律と自治体が守る「本物の内職」の見つけ方【プロが教える安全ロードマップ】

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[著者プロフィール]
田中 健(たなか けん)
在宅ワーク安全推進アドバイザー / 元・自治体労働相談員10年間、自治体の労働相談窓口にて延べ3,000件以上の内職相談に対応。家内労働法に基づいた安全な働き方の啓発活動を行い、悪質商法による被害未然防止に尽力。現在はフリーのアドバイザーとして、在宅で働きたい女性のキャリア支援を行っている。
「シール貼りで月5万円稼げるって本当かな?」
「でも、なんだか怪しい気がする……」
SNSで見かけるキラキラした副業広告を前に、期待と不安で揺れ動いていませんか?
特に、お子さんが小さくて外に働きに出られない時期、家計のために「月2〜3万円でもいいから自分の力で稼ぎたい」と願うのは、とても切実で、素晴らしいことです。
しかし、元相談員として断言します。
その「怪しい」という直感は、100%正しいです。
世の中には、家で働きたいという切実な思いを逆手に取った「偽物の内職」が溢れています。
一方で、国が定めた法律で守られ、自治体が紹介してくれる「本物の内職」も確実に存在します。
この記事では、あなたが詐欺に遭うリスクをゼロにし、地道ながらも確実に収入を得るための「安全なロードマップ」を、プロの視点から丁寧にお伝えします。
読み終える頃には、自信を持って最初の一歩を踏み出せるようになっているはずです。
なぜ「シール貼り月5万」は怪しいのか?統計が示す内職のリアル
相談窓口にいた頃、私は多くの相談者にお会いしてきました。
「SNSで見たシール貼りに応募したら、登録料として3万円請求された」という悲しい報告は、後を絶ちません。
なぜ「月5万円」という数字が怪しいのか。
それは、厚生労働省が発表している客観的なデータを見れば一目瞭然です。
令和5年度の調査によると、家内労働者(内職者)の平均月収は37,641円です。最も多い層は「2万円〜4万円未満」となっており、月5万円以上を稼いでいるのは、熟練した技術を持つごく一部の方に限られています。
出典:令和5年度家内労働等実態調査結果の概要 - 厚生労働省, 2024年5月24日
内職の単価は、シール貼りなら1枚0.4円〜、袋詰めなら1個1円〜といった世界です。
時給換算すると、慣れないうちは数百円ということも珍しくありません。
「そんなに安いの?」とがっかりされたかもしれません。
しかし、この「平均3.7万円」という数字こそが、法律に守られた誠実な企業が支払える、嘘のない対価なのです。
派手な広告に惑わされず、まずはこの「リアルな相場」を受け入れることが、あなたを守る第一歩になります。
あなたの盾になる「家内労働法」と、安全な会社を見分ける3つの印
内職を探す際、あなたに必ず覚えておいてほしい言葉があります。
それが「家内労働法(かないろうどうほう)」です。
多くの人が「内職は単なるお手伝い」と思いがちですが、実は家内労働法という法律によって、働く人の権利が厳格に守られています。
この法律を知っているだけで、悪質な業者を簡単に見抜くことができるようになります。
安全な会社には、必ず以下の「3つの印」があります。
- 家内労働手帳の交付: 委託者(会社)は、仕事の内容や工賃を記載した「家内労働手帳」をあなたに渡す義務があります。これがない契約は違法です。
- 最低工賃の遵守: 地域や職種によっては、法律で「最低工賃」が定められています。不当に低い単価で買い叩くことは許されません。
- 支払期日の明示: 工賃は、物品を受け取ってから1ヶ月以内に支払わなければならないと決まっています。
家内労働法と内職(家内労働)の関係性は、いわば「盾と持ち主」の関係です。
法律という盾を正しく使うことで、あなたは不当な労働から守られます。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「仕事を紹介するために、先に教材費や登録料が必要」と言われたら、その瞬間に連絡を絶ってください。
なぜなら、この点は詐欺の典型的な手口だからです。本物の内職において、働く側がお金を支払うことは絶対にありません。 どんなに魅力的な言葉を並べられても、「先出しの費用」が発生した時点でそれは内職ではなく「悪質商法」です。この鉄則を忘れないでください。
【最短ルート】お住まいの自治体の「内職相談窓口」を活用する全手順
では、どこで「本物の内職」を探せばいいのでしょうか?
求人サイトやSNSを彷徨う前に、まずは「自治体の窓口」を確認してください。
実は、多くの都道府県や市区町村には、無料で内職のあっせんを行う「内職相談窓口」が設置されています。
自治体内職相談窓口と求人詐欺の関係性は、明確な「対抗手段」です。
自治体の相談員は、求人を出す企業を事前に審査しています。
そのため、SNS広告のような詐欺求人が紛れ込む余地がほとんどありません。
📊 比較表【内職探しのルート比較】
| 比較項目 | 自治体の相談窓口 | 大手求人サイト | SNS・ネット広告 |
|---|---|---|---|
| 安全性 | 極めて高い(公的審査あり) | 普通(掲載審査あり) | 極めて低い(詐欺多発) |
| 相談の可否 | 専門の相談員に相談できる | できない | できない(勧誘のみ) |
| 主な職種 | 手作業(シール、袋詰め等) | 軽作業、事務、在宅ワーク | 不明(怪しい副業が多い) |
| 費用 | 完全無料 | 完全無料 | 有料の場合あり(危険) |
自治体窓口を見つける3ステップ
- 検索する: Googleで「[あなたがお住まいの市区町村名] 内職相談」と検索してください。
- 電話・訪問する: 窓口の受付時間を確認し、まずは電話で「内職を探しているのですが、相談できますか?」と伝えます。
- 登録する: 窓口で希望の条件(作業スペースや時間)を伝え、登録カードを作成します。
ハローワークでも内職情報を扱っていることがありますが、主婦の方には、より地域に密着した市区町村の「内職相談員」への相談を強くおすすめします。
初心者におすすめの「本物の内職」職種5選と、気になるQ&A
最後に、自治体窓口などでよく紹介されている、初心者でも始めやすい「本物の内職」をいくつかご紹介します。
- シール貼り: 商品のラベルやバーコードを貼る作業。丁寧さが求められます。
- 袋詰め・セット梱包: お菓子の詰め合わせや、ダイレクトメールの封入など。
- 部品の組み立て: 文房具や電化製品の小さなパーツを組み立てる作業。
- バリ取り: プラスチック製品の縁に残った不要な突起をカッター等で削る作業。
- 宛名書き: 綺麗な文字が書ける方に人気。最近は減少傾向ですが根強い需要があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 不器用なのですが、大丈夫でしょうか?
A. 大丈夫です。最初は時間がかかるかもしれませんが、内職は「正確さ」が最も重視されます。
ゆっくりでも丁寧に作業を続ければ、必ずスピードは上がっていきます。
Q. 家が狭く、子供が小さいのですが……。
A. 相談員にその旨を伝えてください。
場所を取らない小さな資材の仕事や、子供が寝ている間だけ進められる納期に余裕のある仕事など、状況に合わせたアドバイスがもらえます。
Q. 確定申告は必要ですか?
A. 内職の所得(収入から経費を引いた額)が年間20万円を超える場合は必要です。
ただし、内職者には「家内労働者等の必要経費の特例」という税制上の優遇措置があり、実際にかかった経費が少なくても最大55万円まで経費として認められる場合があります。
まとめ:「月2万円の安心」は、あなたの自信に変わる
SNSの「月5万」という甘い言葉は、時に毒になります。
しかし、法律と自治体に守られた「月2万円」は、あなたの生活を支える確かな糧になります。
「たった2万円」と思うかもしれません。
でも、自分の力で、安全に、誠実に稼いだそのお金は、あなたに「社会と繋がっている」という実感と、大きな自信を与えてくれるはずです。
まずは今日、スマホで「〇〇市 内職相談」と検索することから始めてみませんか?
その一歩が、あなたとご家族の安心な未来に繋がっています。
[参考文献リスト]
- 家内労働について - 厚生労働省
- 令和5年度家内労働等実態調査結果の概要 - 厚生労働省
- 「内職」を始める前に知っておきたいこと - 消費者庁
- 自宅に届く内職9選 - マイナビバイト


